小売業(衣料を例として)における倒産・事業再生の特徴

事業の特性

小売業とは、既製品、注文品問わず、店舗にて小売り販売を行う事業所をいいます。

一定の在庫が発生する

たとえば衣料品であれば商品に季節性がある物が多く、値引き販売や売れ残り在庫が発生する可能性があります。取扱商品は、「春夏物」と「秋冬物」に大別され、「秋冬物」の方が単価、売上高ともに高い傾向です。販売シーズンは、プロパー時期とセール時期(バーゲン、マークダウンともいう)とに分かれており、セール時期に売れ残った商品は、翌シーズンまで在庫として保管されます。

商品のライフサイクルが短く在庫リスクが高い

衣料品はファッショントレンドに左右されやすく、季節性のある商品です。つまり、商品ライフサイクルが短く、在庫の陳腐化リスクが高い特徴があります。したがって、仕入を行ったシーズンで可能な限り在庫を販売(消化)する必要があります。

委託仕入(委託販売)の形態を採ると、在庫の陳腐化リスクは最低限に抑えることができます。委託販売とは、製造業者が製品の販売完了時まで所有権を保持したまま問屋や小売店などに製品の販売を委託することであり、一定期間が経過した後、衣料店は売残り製品を返却できることから、在庫リスクは少ないと言えます。ただし、委託仕入(委託販売)は通常の仕入よりも仕入値が高くなることには注意が必要です。

バーゲン販売

可能な限りシーズン中に商品を消化するため、夏・冬にそれぞれバーゲン販売を実施することが一般的です。シーズンをまたいだ商品は陳腐化の速度が速く、値下げしても販売することが困難になるケースが多いため、シーズン中にバーゲン販売で売り切ることが重要です。

窮境の原因究明

在庫過多

中小企業庁が公表している「中小企業実態基本調査」によると、衣料店の平均的な棚卸資産は月商の約2.0倍です。仕入管理が適切に行われず売残りが発生すると棚卸資産は多くなります。また、委託販売の形態を採ると棚卸資産は少なくなります。通常の仕入形態の業者と、委託販売を主とする仕入形態の業者では、棚卸資産の水準は異なるため、仕入形態を把握した上で分析することになります。

在庫のための資金需要

売上債権の回収サイトは短い

衣料店は一般的には現金売上やカード売上です。ショッピングモール等にテナントとして入っている場合は、売上金をいったんデベロッパーに預け、賃借料等を除いた金額が、毎月1〜2回入金されることが多く、売上債権の回収サイトは短い傾向にあります。

在庫による資金需要が発生

中小企業実態基本調査によると、衣料店の標準的な在庫回転期間は2.0力月です。衣料店の仕入品は季節商品であり、シーズン初めに一定量の在庫を保有するため、在庫資金が必要です。

とくに冬物の仕入代金(一般に春夏物より金額が大きくなる)決裁が集中する月などは年間を通じて最も資金が少なくなるケースがあり、資金繰りには注意が必要です。

業態の変化

「H&M」「ZARA」「GAP」など、最新の流行を取り入れた衣料品を低価格•短サイクルで販売する「ファストファッション」と呼ばれるブランドが台頭してきており、ファッション性の高い低価格な商品が消費者に支持されています。これらのブランドはSPAと呼ばれる業態であり、Speciality store retailer of Private label Apparelの略で、「製造小売業」 として商品の企画・生産•販売を一体化して行う業態を指します。

一方、中小の衣料店の多くはセレクトショップの業態であり、こういったブランドに対抗するため、値頃感のあるファッション性の高いブランドを選別して仕入を行うことが必要となっています。自店のコンセプトを明確に打ち出し差別化することが、競争に勝ち残る条件となってきています。

倒産における特徴

店舗閉鎖に伴う問題点

窮境に陥った小売店において不採算店舗を早期に移転することが不可欠であるが、店舗を閉鎖するにも原状回復費が高額になることが多くあります。大型のショッピングセンターでは原状回復工事業者まで指定され、店舗運営会社とのトラブルも少なくありません。 敷金を超過する原状回復費になり、不意な出費を伴うことが多々あり、念頭に資金を準備しとかなくては退店すらできない事態に陥ることになります。

物流コストを目算しておくことがポイントに

小売店舗において、日々販売状況において商品の補充を行うが卸業者等から小売店への商品の移動は別の運送会社が担当します。

小売店が閉店を進めて倒産の噂が流れると物流会社が取引をしなくなったり、運送料金を未払いにすれば商品について商事留置権を主張して、商品の補充が進まず欠品という事態により事業再生が頓挫することもあります。このような事態を回避するためにも運送賃コストは確保しておくことが重要です。

事業再生における特徴

小売店の再生計画策定においては、収益改善のポイントと同様、不採算店舗の撤退、本部コストの見直し、在庫削減によるキャッシュフロー改善、仕入計画の明確化、魅力的な売場作りによるトップライン改善などが重要な項目です。その中でも、過剰仕入が発生した要因を特定し、再発防止施策を実行した上で、過剰仕入を発生させない仕入計画を策定することが再生のポイントです。

弊社でできること

当事務所では法人破産・事業再生に関するご相談対応を行っております。通算150社以上の企業様のご支援をさせていただいた実績を生かして、最適なご提案をさせていただきます。

こちら主導ではなく、経営者様を想い等もくみ取ったうえで、対応方法を一緒に考えていければと存じます。まずは当事務所にお問い合わせいただき、面談にてお話をお伺いさせていただきます。

弊社で取り扱った事例

No.45 合同会社YAOKI

No.46 カワモリ

No.52(株)ナニワ服飾

No.54 セルメス

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