不動産仲介・管理業における倒産・事業再生の特徴

不動産仲介・管理業における倒産・事業再生の特徴

事業の特性

不動産仲介業とは、不動産物件の所有者と借手あるいは買手の間に入り、売買、貸借、交換の代理または仲介を行う事業を言います。そして、不動産管理業とは、主としてビル・マンション等の所有者(管理組合等を含む)の委託を受けて保全業務等不動産の管理を行う事業を言います。以下では、主に居住用賃貸借不動産の仲介・管理業に焦点を当てて説明をします。

季節変動が大きい(不動産仲介業)

住居用不動産は、転勤や進学等の時期に賃借人の入替えが集中するので、季節によって

繁閑の差が激しいです。それに対して、事業用不動産の季節変動は、居住用ほどではありませんが、新規の大型ビル竣工に合わせて活発化します。また、仲介業は、仲介手数料が基本的な収益なので、損益及び資金の季節による変動は大きくなります。

商品の差別化が激しい(不動産仲介業)

賃貸物件の所有者あるいは管理業者は、空室期間を最小化するために物件情報を近隣の仲介業者に広く周知し、賃貸物件を探している顧客の目に触れる機会を増やそうとします。そのために、近隣の業者間で共有されるので差別化になりません。ただし、自社管理物件を有し管理業務を併せて行っている場合に、他の仲介業者へ共有しないことで差別化を図ることがあります。

ストックビジネスである(不動産管理業)

不動産管理業は、受託している物件から毎月一定の管理料がもたらされるため、フロービジネスである仲介業に比べて安定します。

サブリースの有無により事業の構造が大きく変わる

サブリースとは、物件を賃借し、そのまま第三者に転貸することを指します。これにより、借り上げた不動産会社は、転貸からもたらされる家賃収入を収益とすることができ、オーナーは、家賃収入が低くなる代わりに空室リスクや賃料下落リスクを不動産会社に負わせることができます。

窮境の原因

フロービジネスである点

不動産仲介は、フロービジネスなので、大幅な景気後退、あるいは地域に特化している当該地域の企業・工場等の撤退により賃貸市場の動きが停滞・縮小、収益が大きく落ち込むことで、業績が急速に悪化します。また、季節変動が大きいことや大手事業者の進出等で市場を奪われ、業績が悪化するケースもあります。

サブリース・一括借り上げを行っている点

仲介と同様に景気後退や地域経済の縮小の影響から賃貸住宅に対する需要が縮小し、物件稼働率・賃料水準の下落により、借上物件の転貸収入が支払賃料を下回る逆ザヤが発生して、損益・資金繰りが悪化します。逆ザヤは、建築売上を上げるために賃貸住宅の需要が多くない地域において、適正水準より高い家賃を保証する契約を結んでしまうことでも発生します。

倒産における特徴

手続選択(私的整理か法的整理か)

不動産仲介は、抜本的なリストラを行い、余剰資金を事業資金に振り向けるという目的からは、金融機関全行の同意が必要な私的整理ではなく、法的整理を選択することも十分合理性が認められます。しかし、不動産管理事業については、法的整理の選択には慎重な判断が求められます。

事業再生における特徴

再建型手続を選択する場合の留意点

法的整理による事業毀損リスクが懸念される不動産管理事業者と同様に、基本的には、裁判所の許可による再生計画外ないし更生計画外の事業譲渡により早期にスポンサーの用意する新会社に承継させる、いわゆる計画外事業譲渡を踏まえた計画案が適当な場合が多いと思われます。

清算型手続

収益力の改善が見込めないような窮境にある不動産仲介事業ないし不動産管理事業について、事業を早期に清算し、キャッシュの流出や負債の増大化を可能な限り回避することが望ましいです。もっとも、不動産管理事業については、管理物件を増加させれば

収益力が安定し、事業運営が可能となるケースも少なくないと考えられ、同業他社をスポンサーとする私的整理ないし法的整理による再建の可能性はあると思われます。

弊社でできること

当事務所では法人破産・事業再生に関するご相談対応を行っております。通算150社以上の企業様のご支援をさせていただいた実績を生かして、最適なご提案をさせていただきます。

こちら主導ではなく、経営者様を想い等もくみ取ったうえで、対応方法を一緒に考えていければと存じます。まずは当事務所にお問い合わせいただき、面談にてお話をお伺いさせていただきます。

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