【会社の倒産とリース契約】知っておくべき関係性と破産時の注意点を解説

会社が倒産してリース契約が残っていると、どうしたらいいのでしょうか。

会社が破産した場合はリース契約を放置していると、引き続きリース料を請求されることにもなりかねません。

この記事では、会社の倒産とリース契約の関係性を解説します。この記事を読めば倒産時に知っておくべき注意点が分かります。

会社が倒産しリース契約で迷った場合は弁護士に相談しましょう。

 

倒産時のリース契約の基本的な理解

会社が倒産した場合、リース契約では下記の点について理解が必要です。

  • リース物件の返還義務
  • 返還方法の選択肢とそのメリット

 

 リース契約の法的性質とは

会社の倒産時、リース契約は特殊な法的扱いを受けます。リース契約とは、機器や設備の所有権をリース会社が保持したまま、企業が長期間使用する賃貸借契約です。

法律上、リース契約は「賃貸借契約」に分類されます。コピー機や車両などのリース物件の所有権はリース会社が持ち続け、利用する企業は使用権のみを持つ形です。この法的性質が、倒産時の取り扱いに大きく影響します。

破産手続きが開始されると、リース物件は会社の財産ではなく、リース会社の所有物として扱われるのが原則です。破産管財人は、リース物件を勝手に処分できません。

一方で、リース契約は双方未履行の双務契約として扱われます。破産手続き開始時点で、リース会社は物件を貸す義務があり、借り手である会社は料金を支払う義務が残っている状態です。

 

倒産手続きにおけるリース契約の位置付け

倒産手続きにおいて、リース契約は特別な扱いを受けます。破産法では、リース契約を「双方未履行の双務契約」として位置付けているためです。

倒産手続きが開始されると、破産管財人は契約の継続か解除を選択できます。事業継続に必要な機器であれば、契約を維持することも可能です。一方、不要な設備については解除を選択し、リース会社へ返還できます。

契約解除を選んだ場合、未払いのリース料や残存リース料は破産債権として扱われます。これは一般の債権と同じ優先順位で配当を受ける権利です。全額を支払う必要はなく、破産手続きの中で処理されます。

ただし代表者が連帯保証人になっているケースでは注意が必要です。会社の破産後も、保証債務は代表者個人に残ります。代表者自身も破産手続きした上で免責を受けなければ、保証債務からは解放されません。

 

倒産後のリース物件の取り扱い

倒産後のリース物件の取り扱いとして、以下の2点を紹介します。

  • リース物件の返還義務
  • 返還方法の3つの選択肢とそのメリット

 

リース物件の返還義務

倒産手続きが開始されると、リース物件は原則としてリース会社へ返還しなければなりません。リース契約では物件の所有権がリース会社にあるため、破産時には返還義務が生じます。

 

返還義務が発生する時期は、破産管財人が契約解除を選択した時点です。管財人は破産手続き開始後、事業継続の必要性を判断し、不要と判断した契約について解除を行います。解除の意思表示があった時点で、借り手側は返還の準備を始める必要があります。

 

返還に伴う費用についても確認が必要です。リース物件の撤去費用や運搬費用は、原状回復義務の範囲内で発生する可能性があります。ただし、これらの費用が破産財団から支出されるか、リース会社が負担するかは契約内容や個別の状況によって異なるでしょう。

 

返還方法の3つの選択肢とそのメリット

リース物件の返還には、主に3つの方法があります。

 

破産管財人による対応

 

破産管財人による対応は破産手続き開始後、裁判所が選任した管財人が返還を担当する方法です。メリットは、代表者が廃業直後の多忙な時期に自ら手続きをする負担がないことです。管財人に一任できるため、精神的な余裕も生まれます。

 

ただし裁判所へ納める予納金が増額される可能性や、管財人選任前の盗難や破損について代表者が責任を問われるリスクもあります。

 

代表者による対応

 

代表者による対応は直接リース会社と代表者が交渉し、物件を返還する方法です。破産手続きの費用を抑えられる点が大きなメリットです。物件の管理を自ら行うため、盗難リスクも軽減できるでしょう。

 

デメリットとして、リース会社が回収に応じない場合は配送業者の手配が必要になり、追加費用が発生します。

 

 弁護士による対応

 

弁護士による対応は、管財人対応と代表者対応の中間的な方法です。弁護士がリース会社と協議を行い、返還方法を決定します。予納金を抑えつつ専門家のサポートを受けられる点がメリットです。引き取りや配送時には代表者の協力が必要です。

 

リース契約の解除と影響

 

リース契約の解除と影響を以下の視点から見ていきましょう。

  • 破産管財人による契約解除のプロセス
  • 解除後のリース会社との関係

 

破産管財人による契約解除のプロセス

 

破産手続きが開始されると、裁判所が選任した破産管財人がリース契約の処理を担当します。破産財団の管理人として、管財人には契約の継続または解除を判断する権限があります。

 

契約解除の手続きは、管財人による事業状況の調査から始まります。リース物件が事業継続に必要かを見極め、不要と判断すればリース会社へ解除の意思表示を行う流れです。その後、物件の返還方法や引き取り日程について協議を進めます。

 

法的な注意点として、破産法では管財人に契約解除権が認められています。解除によって生じる損害賠償請求権は破産債権として扱われ、優先順位は低くなるでしょう。破産手続き開始前の未払いリース料も破産債権として処理されるため、残存リース料の全額を支払う義務はありません。

 

 解除後のリース会社との関係

 

リース契約が解除された後も、リース会社との適切な関係の維持が必要です。解除によって契約は終了しますが、物件返還や債権処理などのやり取りは続きます。

 

解除後の主な義務は、リース物件を速やかに返還することです。物件の現状確認や引き渡し時期について、リース会社と協議を行います。破産手続きでは、未払いリース料や残存リース料は破産債権として処理されるため、法人側が全額を支払う義務はありません。

 

交渉では誠実な対応が大切です。物件の保管状況を正確に伝え、返還スケジュールについて現実的な提案を行いましょう。弁護士や破産管財人を通じた交渉も有効な方法といえます。

 

契約終了後、リース会社から債権回収の連絡が来る可能性があります。その際は破産手続き中であることを説明し、管財人や弁護士へ連絡するよう伝えてください。

 

 倒産時に知っておくべきリース契約の注意点

 

倒産時に知っておくべきリース契約の注意点は以下の通りです。

  • リース料の支払い義務とその影響
  • リース物件を無断処分するリスク

 

リース料の支払い義務とその影響

 

破産手続きが開始されると、リース料の支払い義務は原則として停止されます。破産手続き開始前の未払いリース料は破産債権として扱われ、債務整理の対象となるためです。

 

破産管財人が契約を解除した場合、残存リース料も破産債権となり、全額を支払う必要はありません。配当によって一部が返済されます。

 

ただし代表者が連帯保証人になっている場合は注意が必要です。法人の破産手続きで免責を受けても、代表者個人の保証債務は残ります。代表者自身も破産して免責を受けなければ、リース会社から保証債務の履行を求められるでしょう。

 

リース料の支払い義務が法人や代表者に与える影響は大きいため、早期に弁護士へ相談することが重要です。専門家のアドバイスを受けながら、適切な対応を進めましょう。

 

リース物件を無断処分するリスク

 

倒産時にリース物件を無断で処分することは、法的リスクを伴います。リース物件の所有権はリース会社にあるため、無断処分は他人の財産を勝手に処分する行為に該当するからです。

 

無断処分によって発生する主なリスクは、損害賠償請求です。リース会社は、物件の時価相当額や残存リース料の支払いを求める可能性があります。さらに横領罪などの刑事責任を問われる恐れもあるでしょう。

 

破産手続きにおいても、無断処分は大きな問題です。破産管財人が物件を適切に返還できなくなり、手続きの進行に支障をきたすためです。代表者個人が責任を追及されることもあります。

 

物件の処分が必要な場合でも、リース会社との合意を得てから行いましょう。

 

専門家に相談するメリット

 

倒産時のリース契約処理では、弁護士などの専門家に相談することが重要です。専門家のサポートを受けることで、さまざまなメリットが得られます。

 

法的な知識を持った専門家のアドバイスを受けられる点が大きなメリットです。倒産手続きの流れやリース契約の法的扱いなど、複雑な情報を分かりやすく説明してもらえます。自分だけでは理解しにくい法律上の問題も、弁護士が整理してくれるでしょう。

 

専門家は豊富な実績と事例を持っているため、個別の状況に応じた適切な対策を提案してくれます。リース物件の返還方法や破産管財人との交渉など、具体的な指針が得られるでしょう。

 

まとめ│倒産でリース契約に迷ったら弁護士に相談を

 

法人の倒産時におけるリース契約の取り扱いは、法的な知識が必要な複雑な問題です。リース物件の所有権はリース会社にあり、破産手続きでは特別な扱いを受けます。

 

破産管財人が契約を解除すれば、未払いや残存リース料は破産債権として処理されます。ただし代表者が連帯保証人の場合、個人の保証債務が残る点に注意が必要です。

 

物件の返還方法には複数の選択肢があり、状況に応じた判断が求められます。無断処分は損害賠償や刑事責任のリスクを伴うため、絶対に避けましょう。

 

倒産とリース契約の関係性は専門的な分野です。適切な対応を取るために、お気軽に当法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者

弁護士法人i 代表弁護士

黒田 充宏

法人破産は自己破産と違い、従業員対応や債権者などへの交渉、説得が必要となってきますので、経験豊富な事務所に依頼されることをお勧めします。破産をお考えの方の中には、破産費用が払えないから相談に行くのをためらわれている方もいらっしゃると思いますが、当事務所はこれまでに850件以上もの借金に関するトラブルの事件処理を担当し、会社の倒産・再生の相談や事件処理も100社以上担当してきた経験から、手元に現金がなくても、住宅や車を売却することによって、破産費用を充足した例がたくさんあります。
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