銀行が融資したくなる企業になるには、バンクフォーメーションを重視すべき

銀行にありとあらゆる資料を提出したり、きめ細やかな説明をしているにも関わらず、新規融資をしてもらえない企業があります。

 

一方で、似たような経営状況にも関わらず、スムーズに新規融資を受けられる企業もあります。

 

これは、銀行が一部の企業をえこひいきしている訳ではありません。

 


銀行目線に立ってみると、「融資をしたくなる企業」と「あまり融資をしたくない企業」というのがある
のです。

 

「融資をしたくなる企業」とはどんな企業かというと、

 

「バンクフォーメーション(BF)を意識している企業」です。

 

この記事では、

 

〇バンクフォーメーション(BF)とは何か

〇BFを意識しないとどうなる?

〇銀行借入一覧表を見てBFを知る方法

 

の3つの項目について詳しく解説します。

バンクフォーメーションとは?

バンクフォーメーションを簡単に説明すると、各取引銀行との関係性です。

 

例えば、ある会社がA銀行・B銀行・C銀行の3行と取引をしているとします。

 

A銀行が融資額の60%を占めており、B銀行は30%、C銀行は10%です。

この場合、この企業のバンクフォーメーションは、

 

〇A銀行:メインバンク

〇B銀行:準メインバンク

〇C銀行:付き合い程度の取引銀行

 

となります。

 

取引内容によって、各行との関係性に優劣がつきます。これがバンクフォーメーションです。

 

日本は、「メインバンク主義」であると言われます。

 

メインバンクを重要視する考え方のことで、有事の際はメインバンク中心に融資を受け、残りの額を他取引銀行からの融資でまかないます。

 

メインバンク制で重要なのは、「追加で融資をする」「経営が悪化してリスケジュールをする」ときなど、銀行との関係が変わるとき、取引銀行はメインバンクにしたがうようになることです。

 

つまり、メインバンクの意向が、取引銀行全体の意向になると言っても過言ではないのです。

 

銀行側は、自分たちの立場を想像以上に意識しています。「メイン」なのか「準メイン」なのか、それともただの「取引銀行」なのかによって、立ち回りが180度変わってくるのです。

 

各取引銀行とのやり取りを円滑にするためには、自社のバンクフォーメーションをきちんと理解しておく必要があります。

 

バンクフォーメーションを意識しないとどうなる?

バンクフォーメーションを意識せず、好き勝手にいろんな銀行からお金を借りていると、以下のデメリットが生じます。

 

〇メインバンクが不在となる

〇有事の際に、すべての銀行が融資に消極的になる

 

まず、バンクインフォメーションを意識せずに融資を受けていると、メインバンクがなくなります。

各行の融資額の差がなくなり、銀行同士の優劣がつかなくなるからです。

経営に困ったときに、真っ先に頼るべきメインバンクがなくなってしまうので、金融機関との連携が取れなくなります。

 

また、メインバンクがなくなることで一番恐ろしいのが、すべての銀行から他人事扱いをされてしまう点です。

先ほども説明しましたが、金融機関は企業の経営状況に変化があったとき、メインバンクの動きに従います。

メインバンクが追加融資をすれば、他行でも追加融資できる可能性が高まりますが、メインバンクが回収する姿勢を見せれば、他行もそれに続きます。

メインバンクが不在ということは、自社と積極的にかかわり、動いてくれる銀行がいないことを指します。

円滑に会社再建をするためには、先陣を切って動いてくれるメインバンクが不可欠なのです。

自社のバンクフォーメーションを知る方法

自社のバンクフォーメーションを知るためには、各銀行との取引状況を確認しなくてはなりません。

 

まずは、銀行借り入れの一覧表を見て、各行からの融資がどうなっているのかを確認しましょう。

 

バンクフォーメーションの確認方法には、

 

〇残高ベース

〇信用ベース

 

の2つの視点があります。

それぞれの確認方法を解説します。

残高ベースの確認方法

残高ベースの考え方では、各行からの融資額をベースにバンクフォーメーションを調べます。

 

信用ベースで考えるよりも簡単なので、手軽にバンクフォーメーションを知りたいときに便利です。

 

とある架空の会社の銀行借入一覧表を表示しますので、一緒に確認してみましょう。

 

この会社は、A銀行・B銀行・C銀行の3行と取引があります。今回、追加で総額5,000万円の融資を受けることにしました。

 

 

  before after 増減
A銀行 50 80 +30
B銀行 30 50 +20
C銀行 20 20 ±0
合計 100 150 +50

(単位:100万円)

 

 

before欄をみると、A銀行からの借入額が最も多いことがわかります。つまり、この企業のメインバンクはA銀行です。

 

次いで借入額が多いのがB銀行であることから、B銀行の立ち位置が「準メインバンク」であることもわかります。

 


続いて、after欄を見てみましょう。それぞれの銀行からの融資額は変化していますが、「A銀行からの借り入れ額が一番多く、次がB銀行、最も少ないのがC銀行」という順番に変わりはありません。

 

この場合は、バンクフォーメーションを意識して追加融資を行ったのだと言えます。

次に、バンクフォーメーションを意識できていない場合の銀行借入一覧表を見ます。

 

  before after 増減
A銀行 50 50 ±0
B銀行 30 30 ±0
C銀行 20 70 +50
合計 100 150 +50

(単位:100万円)

 

 

このケースでは、もともと

メインバンク:A銀行

準メインバンク:B銀行

取引銀行:C銀行

 

という序列をつけていたにもかかわらず、C銀行から50の追加融資を受けています。

 

結果として、元からあった序列が乱れ、C銀行が一番借入高の多い金融機関となります。

 

 

こうなると、もともとメインバンクだったA銀行や準メインバンクだったB銀行はどう思うでしょう。おそらく、良い印象は持たないはずです。

今後、A銀行やB銀行から融資を受けたいと思っても、難しくなるでしょう。

 

信用ベースでの確認方法

より詳しくバンクフォーメーションを確認するのであれば、信用ベースで調べるとよいです。

 

信用ベースとは、「銀行からどれだけ信用されているかを数値化したもの」を基準に考える方法です。

 

先ほどと同じように、架空の会社を例に出します。この会社はA銀行・B銀行・C銀行の3行と取引をしており、

 

A銀行:メインバンク

B銀行:準メインバンク

C銀行:取引銀行

 

として扱っています。

 

  ①借入残高 借入シェア ②担保・保証協会 ①-②信用残高 信用シェア
A銀行 50 50% 40 10 17% 
B銀行 30 30% 0 30 50%
C銀行 20 20% 0 20 33%
合計 100 100% 40 60 100%

(単位:100万円)

上の表の借入残高をみる限りは、A銀行が取引額が最も多く、メインバンクだと考えられます。

 

しかし、よく見ると、A銀行での借入には40の担保・保証協会がついています。つまり、A銀行は40のリスクを軽減していることとなります。

 

信用ベースで考える場合は、このようなリスク軽減は差し引きします。

 

よって、A銀行からは50を借り入れていますが、銀行が本当にリスクを負っているのは、

50-40=10 となります。

 

このように、実際の借入額から担保分を引いた数字を、上記のグラフでは信用残高と表しました。

 

つまり、信用残高とは「銀行がどれだけリスクを負ってあなたの会社にお金を貸しているかを数値化したもの」であり、信用度を数値化したものなのです。

 

上の例を見ると、Aバンクは借入残高こそ高いものの、信用シェア(取引銀行全行における信用残高の割合)は低いです。

 

信用シェアが最も高いのはB銀行の50%です。ということは、この会社を最もリスクを負いながら支援しているのはB銀行だと言えます。

 

このようなケースでは、多くの会社が、「借り入れ額が一番多いから」という理由でA銀行がメインバンクだと判断します。
しかし、信用度でのメインバンクはB銀行なのです。

借入額ばかり意識してA銀行を優遇し、B銀行をないがしろにすると、最もリスクを負ってくれているB銀行からの支援が受けづらくなります。

 

銀行からの印象が良い企業になるためには、「借入額」「信用度」の両方を意識したバンクフォーメーションを構築することが、とても重要なのです。

コロナ禍におけるバンクフォーメーション

新型コロナウイルスの影響を受けて、経営状況が悪化している企業が増えています。

 

コロナ禍においても、バンクフォーメーションを意識した資金調達は非常に重要です。

 

コロナウイルスの影響を受けて、資金調達に苦労している企業は「どんな銀行からでもどんな制度でも、とにかくお金を調達したい!」

と考えています。

 

その結果、メインバンクを無視して色んな銀行からお金を借りたり、担保や保証協会つきの融資をどんどん利用したりします。

 

すると、それまで貫いてきたメインバンク支援する姿勢が示せなくなります。このような資金調達を繰り返すと、メインバンクが不在となり、取引銀行同士の連携が取れなくなってしまいます。

 

 

特に、「無金利の融資ならどこで受けたってかまわないだろう」と考える方がたくさんいます。しかし、これは大きな間違いなのです。

 

無金利の融資は、一見銀行に利益がないと思ってしまいがちです。

 

しかし、実際は国から金利分の補填があります。つまり、銀行にとって無金利融資は重要な収入源なのです。

 

取引先企業が、今まで全く取引のなかった銀行で無金利融資を受けたら、銀行はどう思うでしょうか。おそらく「これまで支援してきたのに、有事の際には別の銀行を使うのか」と思われてしまうでしょう。

 

「なんでもいいからお金を調達したい」と気持ちがはやるのはよくわかりますが、コロナ禍においてもバンクフォーメーションを崩さず、メインバンクを中心とした資金調達を徹底する姿勢が重要です。

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