法人代表者の死亡

1 申立て前の死亡

法人破産の申立てにおいて,会社の代表者が死亡した場合,死亡した代表者を表示したまま申立てをすることはできません。
そこで,まず,

新代表者の選任が可能であれば,会社内部で新代表取締役を選任して新代表者としての破産の申立てが可能です。この場合の添付資料は,通常の会社の破産申立てと変わりはなく,新代表者の下での破産申立てに関する取締役議事録(会社法362条4項)と,新代表者を表示した商業登記全部事項証明書(破規14条3項3号)が必要です。
次に,

新代表者の選任が困難である場合には,代表権のない取締役による破産の申立てをすることができます(いわゆる準自己破産申立て。破19条1項2号)。実務上は,この準自己破産の申立ての例が多数を占めているようです。この場合,取締役全員による申立てでなければ,破産手続開始の原因となる事実の疎明が必要となります(同条3項)。もっとも,準自己破産申立てがあったとしても,法人代表者が不在であるという状況には変わりはありませんから,併せて破産裁判所に対して特別代理人の選任申立てをすることが必要になります(破13条,民訴法35条,37条)。この場合,申立代理人は,管財人宛ての引継予納金とは別に,特別代理人の報酬分の金員を準備する必要があります。
また,

一時代表取締役の選任(会社法351条2項)を経て,自己破産申立てをすることも考えられますが,実例としては稀です。

 

2 申立て後,破産手続開始前の死亡

この場合,申立て自体に瑕疵はないものの,破産手続開始決定時に会社の代表者が欠けるということになります。しかし,破産管財事件の多くは,申立てから概ね1〜2週間前後で破産手続開始決定がされ,その間に事実上,申立代理人と破産管財人候補者との打ち合わせや引継ぎがされるという実情に照らすと,特別代理人選任の申立での時間や費用をかける実益はありません。そのため,大阪地裁では,申立て後,破産手続開始前に代表者が死亡しても破産裁判所から特別代理人の申立てを促すことはしていません。ただし,裁判所から,死亡した代表者の代わりに,説明義務(破40条1項3号)を根拠に,平代表取締役に破産債権者集会への出頭を求められることがあるので,平取締役の協力を得ておくことが望ましいでしょう。

 

3 破産手続開始後の死亡

この場合も,通常,破産管財人が破産会社の財産管理処分権を行使すれば足りるため,大阪地裁では,特別代理人の選任申立てを促すことはしていません。

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